宇都宮市議会は、6月12日に各会派代表者会議を開いて、海外のLRT先進3都市への海外行政視察を2015年11月以降に実施することを決定しました。
詳しくはこちら→ 下野新聞 2015年6月13日報道
宇都宮市議会は、6月12日に各会派代表者会議を開いて、海外のLRT先進3都市への海外行政視察を2015年11月以降に実施することを決定しました。...
Posted by 雷都レールとちぎ on 2015年6月12日
宇都宮市議会の海外行政視察は、2011年3月に東日本大震災が発生して以降、自粛していました。
再開するにあたっては、従来の姉妹都市との交流を重視する方針から、市にとって重要な課題の中から視察地や視察目的を決める方針に変更します。
今回の海外行政視察は、宇都宮市の持続的発展にとって重要なLRT(軽量軌道交通)事業や「自転車のまちづくり」など、「まちづくり」をテーマに実施することになりました。
視察するのは、ストラスブール(フランス)、アムステルダム(オランダ)、デュッセルドルフ(ドイツ)の3都市で、12人の議員を派遣します。
予算は約612万円で、視察後に報告会を実施する予定です。
ストラスブールは、世界的に有名なLRT先進都市です。中心市街地へのマイカー乗り入れを規制して、公共交通と歩行者優先のまちづくりを進めて賑わいを取り戻しています。
LRT導入に伴って、中心市街地に乗り入れていた路線バスの再編を実施。市街地の外縁部に乗り継ぎ拠点(トランジットセンター)を設けて、LRTと路線バスが同じホームを挟んでスムーズに乗り換えできるようにしています。
また、環状道路の外側に数カ所の大規模なパーク&ライド駐車場が用意して、公共交通への乗り換えを促しています。公共交通とマイカーの使い分けが進み、公共交通の利用者が増加しています。
アムステルダムは、市街地を多数の運河が取り巻く構造で、街路が狭くて入り組んでいるため、古くから路面電車を活かしたまちづくりが行われていました。また、地形が平坦なので、以前から自転車の利用が盛んでした。
ヨーロッパ諸国で路面電車の廃止が相次いでいた1950年代から輸送力の強化や近代化を進めて、今日でいうLRTの要素を次第に採り入れていきました。1990年代には、郊外の住宅地へ地下鉄と線路を共有する新路線を延伸して、高速運転を実施しています。
街区や街路が狭くても、歩行者と自転車、路面電車が共存していることでも知られています。
デュッセルドルフは、ルール工業地帯に位置する都市で、国際的な見本市が開かれています。多数の日系企業が進出していることでも知られています。
古くからの路面電車を廃止せず、早い段階で高度化・近代化することで、重要な都市交通として発展させて、まちづくりに活かしてきた都市の一つです。都心部では部分的な地下区間も設置されています。
デュッセルドルフを含むライン=ルール都市圏の公共交通は、「ライン=ルール運輸連合」が一体的に運営・運行しています。都市内のLRTやバスが充実しているだけでなく、LRTが鉄道路線に乗り入れて近隣の都市へのトラムトレインとして運行しています。