宇都宮市、最新の需要予測に基づくLRTの採算見込みなどを市議会に説明

宇都宮市は、JR宇都宮駅~本田技研北門を優先整備するLRTについて、最新の需要予測に基づく採算見込み、運営主体についての最新状況を市議会に説明しました。

詳しくはこちら→ 下野新聞 2015年5月30日報道

宇都宮市は、JR宇都宮駅~本田技研北門を優先整備するLRTについて、最新の需要予測に基づく採算見込み、運営主体についての最新状況を市議会に説明しました。...

Posted by 雷都レールとちぎ on 2015年6月1日

LRT(軽量軌道交通)についての最新の需要予測は、2014年5~6月に宇都宮市を含む県央地域を対象に実施した「県央広域都市圏 生活行動実態調査」の結果を踏まえてのものです。
この調査は、県央広域都市圏(宇都宮市、鹿沼市、日光市の今市地域、真岡市、さくら市、那須烏山市、下野市、上三川町、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、壬生町、高根沢町、計42万世帯)の内、無作為に抽出した11万5千世帯を対象として、平日にどのような人が、どのような目的で、どんな交通手段で、どこからどこへ移動したかを調べたものです。
回収した調査結果(回収率は29.2%)に需要予測モデルを当てはめて、LRT利用についての通勤、通学、業務、私事の需要がどの程度見込めるかを予測しています。


その結果、需要が「最小」の場合、1日あたり15,229人が利用し、運賃を150~400円に設定すると、年間の運賃収入は約9億6,500万円の見込みです。
輸送力や施設規模を算定、把握のために設定した需要が「最大」の場合は、1日あたり23,200人が利用し、運賃を150~400円に設定すると、年間の運賃収入は約15億3,000万円の見込みです。

一方、収入から運行経費と人件費を差し引いた収支は、他の民間軌道事業者のデータを参照して、需要が「最小」の場合、年間で2億5,000万円のプラス~1,100万円のマイナスを見込んでいます。

今回の試算には、「県央広域都市圏 生活行動実態調査」の調査対象圏外からの利用と、休日の利用は織り込まれていません。
これら試算に織り込まれていない需要があるため、需要が「最小」の場合でも十分に採算性が見込めるとしています。

宇都宮市は、今回の調査結果を踏まえて、実際に列車の運行する運営主体の公募を6月に実施し、7月には決定する方針です。

公募の対象は、これまで水面下で事業参画についてのヒアリングを実施してきた19社(全国で軌道事業を手がける交通事業者14社、地元の交通事業者5社)が中心です。
これまでに4社が事業参画に関心を示していて、2社は民間事業者が単独で、別の2社は複数の事業者で参画したい以降を示しています。

市は、民間事業者単独、複数の事業者が連携して設立する新会社、官民一体で設立する第三セクター新会社の中から最適な枠組みを選びたいとしています。