JR吉備線のLRT化を検討する岡山市・総社市・JR西日本は、1時間あたり4~6本(10~15分ごと)の運行頻度を想定する計画素案の第2弾を公表しました。
詳しくはこちら→ 山陽新聞 2014年12月25日 報道
JR吉備線は、岡山と総社を結ぶ20.4kmの非電化ローカル線です。
JR西日本は、2003年に吉備線と富山港線を将来的に路面電車化し、LRT(軽量軌道交通、ライトレール) への転換を検討していると発表しました。
この内、富山港線は2006年にLRT化を実現し、「富山ライトレール」として運行しています。
計画素案は、吉備線LRT化議論の叩き台となるもので、岡山市・総社市・JR西日本が策定しました。
2014年10月に公開された第1弾は、吉備線沿線の現状と課題をまとめた内容で、同線の機能強化を図る手法として「LRT化が最適である」としています。
続く第2弾の内容は、2014年12月25日に開催された検討会議で明らかになりました。
計画素案第2弾によりますと、利用者が時刻表を気にせず利用できる運行頻度をめざし、運行間隔は10~15分ごと(1時間あたり4~6本/朝夕ピーク時は1時間あたり6本、非ピーク時は1時間あたり4本)を目指し、電化工事、低床車両の購入、ホーム新設、行き違い設備の増設など、開業までの初期投資額が160億円以上必要だとしています。
現行の吉備線の運行頻度は朝夕ピーク時は1時間あたり2~3本、非ピーク時は1時間あたり1~2本ですので、運行本数は倍以上に増やす考えです。
LRT化によって運行頻度が高まって利便性が向上することで、現在は1日約15,000人が利用している吉備線の利用者が増加傾向に転じれば、さらに運行本数を増やしたり、駅を増設したり、段階的にハード整備を進めていく考えである点も盛り込んでいます。
事業スキームは、「民間事業方式」(民間事業者が整備・運営して両市と国が補助金などで支援)、「上下分離方式」(線路などインフラ整備は行政が、運行サービスは民間事業者が担当)、「PFI方式」(事業者を募集)など、6パターンを例示しています。
それぞれのパターンについて、メリットとデメリットも併記していて、たとえば「民間事業方式」の場合、効率性や安全性が確保されやすい一方、収支が悪化して民間事業者が事業撤退するリスクがある点などに触れています。
今後、岡山市・総社市・JR西日本は基本計画案の作成に入り、計画素案では踏み込んでいなかった駅の増設や、LRT化の具体像づくり、事業スキームの絞り込みなどを進めていくことになります。