福井鉄道の新型LRV「F1000形」、技術面で優れた車両として「ローレル賞」を受賞

「鉄道友の会」は、福井鉄道が導入した低床型LRV(LRT用の車両)「F1000形(FUKURAM)」を、技術面で優れた車両を評価する「ローレル賞」に選定しました。
詳しくはこちら→ レスポンス 2014年5月27日報道

「鉄道共の会」は、鉄道趣味の団体です。
同会は、会員による人気投票を基に選考委員が優秀な新型車両を選ぶ「ブルーリボン賞」と、得票数に関わらず選考委員が技術的に優れていたり先進的な車両を選ぶ「ローレル賞」を毎年選出しています。

F1000形(福井鉄道)
F1000形(福井鉄道)

今年は、「ブルーリボン賞」に近畿日本鉄道(近鉄)の観光特急「しまかぜ」用に製造した「50000系」が選出されました。
「ローレル賞」には、福井鉄道の「F1000形」と、JR東日本が秋田新幹線用に導入した「E6系」が選出されました。

福井鉄道「F1000形」は、全長27m、3車体連接構造の100%超低床LRVで、福井鉄道が半世紀ぶりに発注した新車です。
2013年3月末から福井鉄道福武線で営業運転を行っています。

福武線は、郊外の鉄道区間と、福井市内の軌道区間で構成される路線です。
「F1000形」は老朽化した大型の鉄道車両を置き換えるため、同等の輸送力を持つ車両として製造されました。
郊外の鉄道区間では高速で走行し、市街地の軌道区間では鉄道区間よりも最高速度を抑えて走ります。

「鉄道共の会」は、この車両が鉄軌直通(鉄道線と軌道線を直通運転)できる車両である点を「ローレル賞」に選出した理由として挙げています。

福井鉄道は、画期的なデザインの「F1000形」を導入した効果や、パーク&ライドなどの利用促進策を推進した結果、2013年4月~8月の利用者数が前年同期比で8.7%増加しました。
「F1000形」は、2016年度(平成28年度)までに全部で4編成導入する予定です。

宇都宮市が東西基幹交通として導入するLRT(軽量軌道交通)で使用する車両として、この「F1000形」と同程度の輸送力を持つ30m級のLRV導入が検討されています。
宇都宮でも福井や他国の諸都市と同様、市街地の軌道区間では停留所の間隔を短めにして最高速度を抑えて走り、郊外の高速運転区間では鉄道並みに高速で運行することを検討しています。