栃木県は、県立高校の7学区を撤廃して、2015年春の入試や選考時から全県1学区に移行することを正式に決定しました。
詳しくはこちら→ 下野新聞 2014年3月20日報道
学区撤廃は、3月19日(水)に開かれた県教育委員会定例会で決まりました(参考→下野新聞3月20日関連記事)。
栃木県の県立高校は、宇都宮、芳賀、那須など7学区に区分され、全日制の普通科と総合学科に制度が適用されています。学区外からの入学者は、各高校の募集定員の25%以内に制限されてきました。
今回の決定を受けて、従来の学区は撤廃され、全県の高校を自由に受験できるようになります。
また、中高一貫教育校の県立中学校については、入学者選考で行ってきた抽選制を廃止すると共に、募集定員に対する男女比率は、いずれかが全体の60%を超えないようにするなどの規定も設けられます。
学区の撤廃によって、学区内に普通科や総合科の高校が少なかった地域の受験生にとっては、選択肢の幅が大きく広がります。
一方で、これまでも学区外からの受験生が多かった宇都宮学区などでは、学区撤廃によって現行学区外からの受験者数が大幅に増えることで、特に進学校の合格ラインが上昇すると予想されています。
また、学区撤廃によって従来の学区を超えて長距離通学を検討する受験生が増えますが、通学に利用できる公共交通ネットワークが十分に整っている地域と、そうでない地域では、実際に受験して通学できるかどうかの判断に大きな差が生じるのではないかと懸念されています。
「移動格差」の問題です。
移動の問題は、日々の生活にも大きな影響を及ぼします。
移動が容易に行えるかどうか、特に時間通りに移動できる便利な公共交通サービスを利用できるかどうかは、通勤や通学などを考えるうえでも、きわめて重要な問題です。
栃木県は3月14日までに、「とちぎの都市ビジョン改訂版(案)」をまとめて、県内各拠点を公共交通で効率的にネットワーク化して「とちぎのエコ・コンパクトシティ」構築を目指すことを発表しています。
今後ますます、鉄道やLRT、バスなどの公共交通ネットワークの重要性が高まっていくことになります。