宇都宮市は、JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地の本田技研北門までを先行整備するLRTについて、途中4箇所の停留所のみ停車する快速が最大で11分所要時間を短縮できるという検討案を市議会に提示しました。
詳しくはこちら→ 下野新聞 2014年1月18日報道
この検討案は、2013年12月に開催された「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」で、出席した委員から、クルマからの乗り換えを促すためには所要時間の短縮が重要なので、快速の運行などを計画してはどうかという提案を受けて、検討が進められていたものです。
検討案によると、快速は先行整備区間(JR宇都宮駅東口から本田技研北門まで)の内、ベルモール前、作新学院北、清原工業団地北、芳賀台の4か所のみ停車する想定です。
各駅停車の所要時間が43分ですが、快速は全区間を最高時速40kmで走ると所要時間は37分、専用軌道を最高速度70kmで走行する場合は所要時間を32分に短縮できます。
快速の運行には、途中で各駅停車を追い越すために追い抜き施設などが必要です。
また、導入車両について、ピーク時の需要などを考慮して、1編成30m級の車両とする構想が示されました。
以前市が想定していたのは1編成20m級の車両で、30m級の車両に変更することで調達費用などが約12.6億円増加するという試算も報告されました。
鉄道やLRTなどの公共交通を整備する場合、許容量ぎりぎりの設計でコストを圧縮しようとすると、後年新たな追加投資が必要になることがあるので、最初から余裕を見て整備しておくことが重要です。
なぜかというと、事前の需要予測より利用者が増えたり、将来路線を延伸するなどして需要が増加したときに、設備や施設が対応しきれなくなって、拡張工事が必要になるためです。
(もし開業当初はぎりぎりの設備であっても、後年拡張する前提で、スペースや予算を十分に織り込んでおけば問題ありません)
また、使用する車両についても同じで、あまりに余裕がないと、乗車しきれずに「積み残し」が発生したり、混雑がひどくて快適性が損なわれることがあります。
このため、最初からある程度の余裕を見て設備や車両を整備しておくことと、将来利用者が増えても対応できる余地を確保しておくことが重要といえます。